「最近、親と電話したのはいつだったろう」
そう聞かれて、すぐに答えられる方は意外と少ないかもしれません。
仕事や子育てに追われ、実家に帰るのはお盆と正月だけ。
親はまだ元気だし、何かあれば連絡が来るはず──。多くのご家族が、そう考えています。
しかし、ひとり暮らしの方が自宅で亡くなり、しばらく誰にも気づかれない「孤独死」は、決して特別な家庭だけの話ではありません。
この記事では、兵庫県明石市で創業約60年、遺品整理や特殊清掃に携わってきた西神清掃が、
- 孤独死を防ぐために、家族が日頃からできるコミュニケーション
- 万が一、警察や管理会社から連絡が来たときの落ち着いた対応手順
を、実際の現場の事例を交えてお伝えします。
不安をあおるためではなく、「もしも」のときに慌てないための記事です。
① 数字で見る孤独死:「うちの親に限って」は通用しない

まず、現状を知っておきましょう。
警察庁の集計によると、2025年の1年間に、ひとり暮らしの自宅で亡くなった方は7万6,941人。
さらに内閣府は、このうち死後8日以上経ってから見つかった方を、生前に社会的に孤立していた可能性が高い「孤立死」と位置づけ、その数を2万2,222人と推計しています。
前年の2024年のデータでは、自宅で亡くなったひとり暮らしの方の約76%が65歳以上でした。
つまり、ひとり暮らしの高齢の親がいるご家庭にとって、これは「どこかの誰か」の話ではなく、身近に起こりうることなのです。
──では、なぜ「発見が遅れること」がそれほど問題になるのでしょうか?
② 孤独死でいちばん大きいのは「発見までの時間」
孤独死の現場に立ち会ってきた立場から、はっきりお伝えできることがあります。
ご家族やお部屋が受けるダメージは、亡くなってから発見されるまでの日数で大きく変わります。
時間が経つと、ご遺体から出た体液が床に染み込み、においが部屋全体に広がっていきます。
そうなると、ご遺族は心の整理がつかないうちに、部屋の片付けや清掃、場合によっては床材の交換といった現実的な問題に向き合わなければなりません。
逆に言えば、早く気づける仕組みがあるだけで、ご本人の尊厳も、ご家族の負担も大きく守れるということです。
そしてその仕組みの中心にあるのは、高価な機器ではありません。
家族との日頃のコミュニケーションです。
③ 孤独死を防ぐために、家族ができる5つのこと

「見守り」と聞くと身構えてしまいますが、特別なことをする必要はありません。
今日からできることを5つご紹介します。
1. 連絡の「決まりごと」をつくる
「毎週日曜の夜に電話する」「毎朝、LINEのスタンプを1つ送る」など、頻度とタイミングを決めておくことが大切です。
決まりがあると、「今日は連絡がないな」という小さな異変に気づけます。
スタンプ1つでも、既読がつくだけで安否確認になります。
2. 帰省のたびに「暮らしの変化」を見る
実家に帰ったら、会話だけでなく、部屋の様子にも目を向けてみてください。
- ポストに郵便物や新聞がたまっていないか
- 冷蔵庫に賞味期限切れの食品が増えていないか
- ゴミが出せずに部屋に残っていないか
- 以前より物が増えて、床が見えにくくなっていないか
こうした変化は、体力の衰えや、生活への意欲が落ちてきているサインかもしれません。
3. 「ご近所」と「かかりつけ」をつないでおく
家族が遠方に住んでいる場合、いちばん早く異変に気づけるのは、実はご近所の方です。
帰省の際に、隣の方や民生委員、大家さんや管理会社に家族の連絡先を伝えておくだけで、「何かあったら知らせてもらえる」関係ができます。
地域包括支援センターに相談しておくのも一つの方法です。
4. 見守りサービスを「親と一緒に」選ぶ
電気ポットや電気の使用状況で安否を知らせる家電や、センサー型の見守りサービス、自治体の配食サービスなど、見守りの手段は増えています。
ただし、親の気持ちを置き去りにして導入すると「監視されている」と感じさせてしまうことも。
「私が安心したいから」と、家族側の気持ちとして伝えると、受け入れてもらいやすくなります。
5. 元気なうちに「もしもの話」をしておく
いちばん難しく、でもいちばん大切なのがこれです。
- 通帳や印鑑、保険証券はどこにあるか
- かかりつけの病院はどこか
- 賃貸なら、契約書と管理会社の連絡先はどこか
- 大切にしている物、残したい物は何か
いきなり「もしもの時のために」と切り出すと、親も身構えてしまいます。
「最近、友人の親が倒れて大変だったみたいで」と身近な話題から入る、あるいは生前整理として「一緒に片付けよう」と声をかけるのが自然です。
西神清掃でも「元気なうちに整理しておきたい」という生前整理のご相談をいただきます。
物を片付けることが、そのまま親子で「これから」を話すきっかけになることも少なくありません。
④ もし「連絡」が来たら:落ち着いて進める対応の流れ

どれだけ気をつけていても、突然の連絡を受ける可能性はゼロではありません。
「警察ですが、お父様のことで……」
「管理しているお部屋で、ご入居者様がお亡くなりになっていました」
こうした電話を受けたとき、頭が真っ白になるのは当然のことです。
まずは深呼吸をして、一つずつ進めれば大丈夫です。
一般的な流れは次のとおりです。
ステップ1:警察の指示に従い、身元確認へ
ご自宅で亡くなった場合、多くは警察が状況を確認し、事件性の有無などを調べます。
ご家族は、身元の確認や事情の聴き取りのために警察署へ呼ばれることがあります。
このとき、ご自身で先にお部屋へ入る必要はありません。警察の指示を待ちましょう。
ステップ2:葬儀社に連絡し、ご遺体を引き取る
警察での手続きが終わると、ご遺体を引き取ることになります。
葬儀社に連絡すれば、搬送から安置まで対応してもらえます。
死亡届は、亡くなったことを知った日から7日以内に提出が必要です。
多くの場合、葬儀社が手続きを代行してくれるので、確認してみてください。
ステップ3:大家さん・管理会社へ連絡する
賃貸住宅の場合は、大家さんや管理会社への連絡が必要です。
部屋の明け渡しや原状回復の進め方について、ここで話し合うことになります。
慌てて「全部こちらで片付けます」と約束する前に、まずは状況を共有するところまでで構いません。
ステップ4:相続の方針を確認する(片付けの前に)
見落とされやすいのですが、とても大切なポイントです。
故人に借金などがあり相続放棄を考える可能性がある場合、遺品を処分したり売却したりすると、相続を認めたとみなされるおそれがあります。
相続放棄は、原則として相続が始まったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。
少しでも迷いがある場合は、部屋の片付けを始める前に、司法書士や弁護士などの専門家へ相談しましょう。
ステップ5:専門の業者に相談する
発見まで時間がかかっていた場合、お部屋には体液の汚れやにおいが残っていることがあります。
これは通常のハウスクリーニングでは対応が難しく、特殊清掃と呼ばれる専門作業が必要です。
見積もりは無料の業者がほとんどです。
「何をどこまで頼めばいいか分からない」という段階でも、まずは相談してみてください。
⑤ これだけは避けたい:ご家族がやってしまいがちなこと

突然のことで気が動転していると、よかれと思って次のような行動をとってしまうことがあります。
× ご自身で部屋に入って片付けを始める
体液が残った部屋には、衛生上のリスクがあります。
また、においは想像以上に強く、心にも大きな負担がかかります。
× 市販の消臭剤や芳香剤で済ませようとする
においを一時的にごまかしても、床などに染み込んだ原因が残っていれば、においは戻ってきます。
× 相続の方針を決めずに、遺品を処分・売却する
前述のとおり、相続放棄ができなくなるおそれがあります。
× 家族だけで抱え込む
ご遺族は悲しみの中にいます。
「自分たちでなんとかしなければ」と思い詰めず、専門家の手を借りてください。
──では実際に、プロに依頼するとどのように進むのでしょうか。明石市での事例をご紹介します。
⑥ 実例:明石市・ワンルームでの特殊清掃
2026年4月、兵庫県明石市のマンションの一室で、孤独死の現場のお片付けをご依頼いただきました。
間取りはワンルーム。ご遺体があった現場のため、ご依頼をいただいてからできるだけ早く現場に入りました。
前述のとおり、時間が経つほどお部屋へのダメージが進むためです。
現地調査とお見積もり
まずはお部屋の状況と、回収が必要な物を確認。
お客様にとって最適な回収プランをご提案しました。
残置物をすべて回収
お部屋に残された物は、すべて回収しました。
可燃ごみ・不燃ごみを分けて運び出したあと、大きな家具は分解してから搬出しています。
作業中は、ご近所の方への配慮も欠かせません。
できるだけ静かに作業を進め、どうしても音が出る場合は、事前にご近所へごあいさつをしています。
床の体液ジミを洗浄
物がなくなっても、それで終わりではありません。
ご遺体から出た体液が床にシミとなって残っていたため、専用の洗浄液を使って洗浄しました。
汚れが床材の奥まで染み込んでいる場合は、床材の交換などが必要になることもあります。
西神清掃では、そうした修繕も提携業者の手配まで一括でご相談いただけます。
回収した物の行き先
回収した物は、再利用できるものは寄付やリサイクルに回し、鉄くずなどは専門業者に買い取りを依頼。
それ以外は、可燃ごみ・不燃ごみとして適正に処理しました。
最後は、空っぽのお部屋に
最終的にお部屋は空っぽに。依頼主の方に最終確認をしていただき、作業は完了しました。
ご遺族にとっては、つらい記憶の残る場所かもしれません。
だからこそ、次の一歩を踏み出せる状態に整えてお返しすることを大切にしています。
⑦ 特殊清掃・遺品整理の業者を選ぶときのポイント

いざというとき、どの業者に頼めばよいか迷う方も多いと思います。次の点を確認してみてください。
一般廃棄物収集運搬の許可を持っているか
家庭から出る物を回収・運搬するには、自治体の許可が必要です。
許可のない業者に依頼すると、不法投棄などのトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
現地を見たうえで、作業内容と費用を説明してくれるか
電話だけで金額を決めず、現場を確認して内訳を説明してくれる業者が安心です。
遠方の家族や、立ち会いが難しい場合にも対応できるか
鍵を預かって作業し、写真付きで報告してくれる体制があると、遠方のご家族も安心です。
片付けの「その後」まで相談できるか
床の修繕、空き家の売却相談など、窓口がひとつにまとまっていると負担が減ります。
西神清掃は、明石市の一般廃棄物収集運搬の許可業者として、明石市を中心に兵庫県内全域で対応しています。
女性スタッフも在籍しており、「話しやすい」「安心できる」とのお声もいただいています。
お客様アンケートでは90%以上の方から「また頼みたい」と評価をいただきました。
よくある質問
Q. 親が元気なうちに相談してもいいですか?
A. もちろんです。生前整理として、荷物の整理や不用品の撤去をお手伝いしています。
「一緒に仕分けしたい」「ゆっくり進めたい」といったご要望にも対応します。
Q. 遠方に住んでいて、現地に行けません。
A. 鍵をお預かりし、立ち会いなしで作業することが可能です。作業内容は写真付きでご報告します。
Q. 管理会社や大家の立場でも依頼できますか?
A. はい。マンション・アパートのオーナー様や管理会社様からのご依頼も多くいただいています。
Q. 見積もりに費用はかかりますか?
A. お見積もり・ご相談は無料です。無理な営業は一切いたしません。
まとめ:いちばんの備えは「今日の一本の電話」

孤独死を防ぐために、家族ができるいちばんの備えは、特別な道具ではなく日頃のつながりです。
- 連絡の決まりごとをつくる
- 帰省のたびに暮らしの変化を見る
- ご近所や管理会社と連絡先を共有する
- 元気なうちに、もしもの話をしておく
そして、万が一連絡を受けたときは、ひとりで抱え込まず、一つずつ、専門家の手を借りて進めてください。
この記事を読み終えたら、まずは親御さんに電話を一本かけてみませんか。
「元気?」の一言が、何よりの見守りになります。
遺品整理・特殊清掃・生前整理のご相談は西神清掃へ
明石市を中心に兵庫県内全域で対応しています。お見積もり・ご相談は無料です。
- 電話:078-967-5431(受付 8:00〜17:00/月〜土)
- お問い合わせフォーム・LINEからもご相談いただけます
出典
- 警察庁・内閣府「令和7年(2025年)中に自宅において死亡した一人暮らしの者/孤立死の推計」(2026年4月公表)
- 警察庁「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について」
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